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キ115特殊攻撃機"剣"
一般に特攻専用機として開発されたかの如く語られるこの機体であるが、元々そう設計されていたのではない。
あらゆる資材が底を尽こうとしていた当時の日本で、高級精密な新型軍用機が戦力化されることは難しく、"戦争に間に合うよう"に、且、実用性を持たせるため、粗末な材料・設計で対舟艇用の"使い捨て攻撃機"としての運用を想定されていたのがこのキ115"剣"である。
空戦能力を除いて航続距離も求めず、そうすれば構造も装備も簡潔、軽量小型の機体が実現できる。
戦闘機から剥ぎ取れるものはすべて剥ぎ取り、余力はすべてスピードの向上に充て、構造も装備も極限まで簡素化した小型機-それが剣のコンセプトであった。
また、よく降着装置が離陸後切り離され、二度と着陸は出来ないと言われるが、扉を廃した爆弾倉の両側の縁を橇として胴体着陸を行うよう考えられたらしい。
これもまた"戦争に間に合うよう"複雑精緻な降着機構を省いた結果で、人命軽視・特攻機と言われてもおかしくないが、ようするに当時の状況はそれほどまでに逼迫していたということであり、数々の試作機が結局モノにならなかったことを考えれば、ある意味現実的な策ではないかと思う。
また、この完成を急ぎ、資材を節約する策は徹底して行われ、風洞実験も省略されて、高級なジュラルミンなどの材料は使われず、木材や鋼管、ブリキ板などで構成されていた。
このような努力の甲斐あって試作機はわずか一ヶ月ほどという凄まじいスピードで完成、最終的に105機が完成したというが、実戦参加の記録は無い。
ちなみに、設計陣以外はことごとく特攻機として認識していたといい、試作機の安全祈願の祝詞で「…往きて還らざる天く翔ける奇しき器」と読み上げられたというエピソードもあり、ようするに、粗末な剣は、当時でも一見して特攻機に見えてしまうシロモノだったのである。また、安定性の悪さから当初の対舟艇用の攻撃機としては不適当とされ、生産は特攻機としてであったという。
キ115甲:金属製主翼装備の生産型
キ115乙:木製主翼装備、操縦席位置を前進させた計画機。
藤花:海軍型、計画機。
キ115甲"剣"・性能諸元
全長:8.55m
全幅:8.57m
自重:1640kg
全備重量:2630kg
最大速度:550km/h
航続距離:1200km
発動機:ハ-35-23(旧称ハ-115)空冷複列星形14気筒 公称1100HP
兵装:500kg爆弾×1

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